読書日記10月22日
「城」カフカ。新潮文庫。
カフカの作品は「変身」しか読んでいなかった。これと審判はせめて読みたいと思って購入していたが、このたび城を読了することが出来た。
世界から隔離されているという感覚、自分が何者でもないという感覚、異邦人であるという感覚が全面に押し出されている作品で、こういう作品にはなかなかお目にかかれないであろう。
最後はまだ話が続くようにして終わっているが、異邦人がいつまでも異邦人ということで、完結のないまま終わっているのもしれない。
「幻獣ムベンベを追え」集英社文庫。高野秀行。
未確認生物を探し求める筆者のデビュー作。早稲田大学の学生時代のサークルで、コンゴ奥地にある湖に生息するという謎の未確認生物ムベンベを追い求める物語。
正直、むちゃくちゃな冒険譚である。よく、一人の死者も出なかったもんである。
物語としてはものすごくおもしろい。
果たしてムベンベは発見されるのか。ただの徒労に終わるのか。
最後まで目が離せない。
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