読書日記10月31日
「アンターグラウンド」講談社文庫。村上春樹。
忘れてはいけない事件も、時とともに風化することがあるのが世間である。これは、地下鉄サリン事件の被害者に著者が話を聞いて、それを本にまとめたものである。
サリン事件で殉職された営団地下鉄の社員の方の奥さんと、シンポジウムの席でご一緒したことがある。私もそのときはパネラーだったのである。あれはもう8年前になる。
そのときに生の被害者遺族の声を聞いて、私もパネリストとして、弁護士としての立場からいろいろと発言したことを覚えている。
時折、やはりオウム事件というのは忘れてはいけないと思い、本を手に取るようにしている。
今回は、村上春樹のこの作品だったということになる。
これは、被害者のことを知るために、また、サリン事件を忘れないために、長く読み継がれるべき本の一つである。
770ページで、文庫本なのに1000円以上するが、それ以上の価値がこの本にはある。
未読の方は、是非ご一読いただきたい。
「検察側の罪人」文藝春秋。雫井脩介。
著者の最高傑作という帯があったので、購入してみた。
設定に無理があるし、描写にも難があるし、ちょっとがっかり。
法律家の世界にいなければ、おもしろく読めたかもしれないが、読んでいてしら~っとなった。
しかし、購入した以上、全て読んだ。
まあ、読まなくてよいですね。
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