読書日記4月9日
「城を攻める 城を守る」(講談社現代新書、伊藤潤)。
単に天守閣が綺麗だとかという城の本ではなく、実戦を前提としてどのような戦いがその城でなされ、どのような構造があって敵を撃退したか等が詳しく述べられている本である。
筆者は歴史小説家。
城攻めの描写というのは、中々分かりづらいところがあるので、この本にあるように図示しながら書けばよりわかりやすいと思う。
戦国時代好きは是非読むべき本である(戦国以外の攻城戦も記載があるが)。
「フラニーとズーイ」(新潮社文庫。サリンジャー。村上春樹訳)。
村上春樹新訳。
私は、サリンジャーのこの作品を読んだことがなかったので、新訳が出たので読むことにした。
キャッチャー・イン・ザ・ライも衝撃だったが(これも村上訳でしか読んでいないが)、この作品も衝撃である。
村上春樹もいうように、宗教臭さが随所にちりばめられているが、その言葉の巧みさ、会話のウィットに富みすぎるくらい富んでいる会話は、誰もマネしようと思っても出来ないだろう(少し文体は違うが、こんなウィットに富んだ文章を書けるのはチャンドラーくらいか)。
中身はよく分からないところがあるが、とにかく、言葉というものがこんなにも豊穣であるのかということを思い知らされる作品。
| 固定リンク
コメント