読書日記4月30日
「犬の伊勢参り」平凡社新書。仁科邦男。
江戸時代、突然仕事も何もかも放り出して伊勢参りに行くという抜け参りというものがあっだが、これは、人のみならず犬も伊勢参りをしていたという歴史的事実に対して、史料に基づいて綿密に考証し、その実体に迫った作品である。
これは、ものすごくいい本である。こういう本に出会えるから読書は楽しい。
読んでいて、日本人の心の温かさにほっこりする。
伊勢参りの犬を故郷に帰してやろうと、犬の首につけているお金にさらにお金を足してやり、村から村まで犬と荷物を送ってあげたなど、本当に心温まる話が満載である。
ほかの人にも、絶対に読んで欲しい1冊である。
「長篠合戦と武田勝頼」(敗者の日本史)吉川弘文館。平山優。
武田勝頼は世でいわれるほど愚将だったのか。同時代の戦国武将は武田勝頼をどうみていたのか。長篠合戦における騎馬突撃は後世にいわれるほど無謀な作戦だったのか。鉄砲の三段撃ちは事実か。なぜ勝頼は長篠合戦に踏み切ったのか。
信頼できる史料に基づいて、語り尽くされてきたはずの長篠合戦をイチから考証する1冊。
これもまたいい本であった。歴史好きにはたまらない1冊。
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