読書日記3月19日
「ペスト」新潮文庫。カミュ。
不条理と追放を描いた作家として知られるカミュの作品。
中世の黒死病やスペイン風邪など、悪疫には興味をひかれる(好きという訳ではないが)。
どういった病原菌で、なぜそれだけ流行したのかというような科学的なところもそうだが、こうした文学作品では、死病にむきあった人がどういう行動を取るのかという人間の類型が描かれている作品である。
本編の主人公のリウーのような人間にはなれそうもない(そもそも、医者にはなれないのだが、人格としてわたしには無理だということである)。
死病に町がとりつかれた時、死病から町を救うのでは無く、町から何とかして脱走しようとする人々が描かれているが、私はそっちの方の人間であるような気がする。
何となく、お前はどうするのだとカミュに言われ続けているようで、中々読み進められなかった。
文学作品は無駄だという見解を持つ人もいるが、こうして作品を読み終えると、やはり文学も読まないとダメだと思わされるし、これを40代半ばで読むから意味があるような気がしている。
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