読書日記3月2日
「転落・追放と王国」新潮文庫。カミュ。
大学生の時にもっといい読書をしておけばよかったと思いながら、現在世界文学を少しずつ読んでいるのだが、異邦人を書いたカミュの短編集を購入しながら読んでいなかったので読了。
カミュについては様々な文学評論家が書いているので、私か語るのはおこがましいので、カミュについてはそうした評論を読んでいただく方がよいと思われるが、この作品は、前提もよくわからない中で、独特の世界観が綴られていく短編の連続である。
題名とも合わせて、彼が書こうとした主題を探りつつ読んだ。
砂漠で舌を切り取られ、神を呪う主人公。命令に反してアラブ人を解放する主人公。
世界の果てで、自らのありようを貫こうとする主人公。
彼らは何を我々に訴えかけようとしているのであろうか。
それを探ろうとしながら読んだ。
長い年月を経て、なお読み継がれる作品には、その中心に我々に訴えかけるものがある。
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