連休のある週
弁護士にとって連休は嬉しいものでもない。
やるべき仕事はある程度あるので、時間までには間に合わせないといけないが、打合や裁判はウィークディに入るから、そうした週は予定が詰まってしまうことになる。
正直、電話の一本がかけられない日もある。
7月が過ぎると、少しヒマになるのであるが、毎年、この季節と年末と年度末はどの弁護士でも似たようなものである。
修習生の時に、「依頼者に、事件は忙しい弁護士に頼めと言っている」とある大先生から聞かされて、「暇な弁護士の方が空いているのでは?」と聞いたところ、「暇な弁護士は能力がないからヒマなんや。流行っている弁護士は能力があるから、依頼が来るし、また、限られた時間で解決しようとする。暇な弁護士はヒマだからといって、事件を一生懸命するとは限らない」と聞かされて、そういうものかと思っていた。
そのときは、その先生は結局、「自分に頼め」というアピールも依頼者向けにあったのであろうが、自分が弁護士になってみると、確かに、手帳が真っ白な先生が仕事が速いかというと、そうでもないことに気づかされる。
逆に私から見ていても多忙な弁護士が、「よくここまできちんと書面を書かれるなあ」と相手方ながら感嘆することもあり、あのベテラン弁護士が言われていたのは正しかったのだと思っている。
もちろん、流行っている弁護士でも、事件を受けすぎて事件遅滞に陥ることもあるだろうから、何事もほどほどなのであろう。
私も流行りたいもんである。
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