読書日記10月21日
「眠れる美女」新潮文庫。川端康成。
海に近い家で男性としての機能が無くなってしまった老人が全裸で薬によって眠らされた若い女性と一晩寄り添って過ごすというアブノーマルな話である。
死にゆく老人と若い女性のコントラストと、しかし若い女性は薬によって眠らされているのでその若さを感じることができるのは肌や息づかいだけである。
生と死を対比させているような作品であると感じたが、腐臭を放つような作品でもある。解説は基本的に読まないことにして自分で作品を考えるようにしているので、的外れかもわからない。
その他二作品が収められている。
「宗教と日本人 司馬遼太郎対話選集8」文春文庫。
司馬遼太郎の対話選集であり、日本人と宗教のあり方が対話される。
日本人の土俗宗教の考え方や、宇宙から地球を見て神の存在を体感し、その後の人生が変わってしまった宇宙飛行士の話が語られる。
日本人と西洋との宗教に対する立ち位置の違いも語られ、知識の整理になることは間違いがない。
対話されたのは、最後の対話でも1996年であるが、その中身は今でも新しいままである。
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