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2015年12月 7日 (月)

読書日記年間ベスト10その1

 私が今年読んだ本の中でよかった本の中から10冊。

1位「宇喜多秀家 備前物語」文春文庫。津本陽。
 宇喜多秀家という武将を思う時、非常に哀しい気持ちにさせられる。
 秀吉に愛された武将は、武家貴族として華々しい人生を歩んでいたが、その後関ヶ原の戦いで家康を苦しめたものの敗れ、島津家が庇護していたものの、八丈島に流されてそこで人生を終えた。
 この作品でもっとも私が感動するのは、幕末まで八丈島に宇喜多秀家の子孫に援助をし続けた加賀前田家の律儀さであり、前田家がそうするに至った秀家の妻のけなげさであり、そして徳川が支配する本土に戻らなかった宇喜多一族の心根であり、明治維新後、本土に戻った宇喜多一族が立ち行くようにしたのはこれまた加賀前田家であったという200数十年を経ても宇喜多一族を守り続けた加賀前田家の心である。
 宇喜多秀家は八丈島で日々の生活にも事欠き一生を終えたが、心は徳川に負けなかったという、その生き方に心を打たれるのである。

 二位以下はまた明日以降。

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