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2016年5月26日 (木)

読書日記5月26日

「空海」新潮社。高村薫。
 マークスの山、照柿などの名作を書いた著者による「空海」である。
 震災以降、仏教への関心が出てきた著者は、弘法大師、空海の本質に迫ろうとする。
 空海の著述や史料から見えてくる空海。空海を感じるために現場に赴く著者。ハンセン病施設などに赴き、民間で空海がどのようにして感じられているかを聞き取る著者。

 あいまいとしていた空海の実像に迫ろうとした懇親の著作である。
 写真なども多数掲載されており、非常に読みやすい。

 魂の行き場がない現代において、再度空海を考えるというのは高村薫でなければできない作業であったように思われる。
 これもいい本である。

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