« 2016年5月 | トップページ | 2016年7月 »

2016年6月30日 (木)

読書日記6月30日

「税務署は三年泳がせる。」日経プレミアシリーズ。飯田真弓。
 元国税調査官で現在は税理士の筆者が税務署がどういうところを見ているか、見られているかについてわかりやすく書いた新書。
 凄腕の調査官になるとこんなに細かいところを見ているのか、現金商売で誤魔化していても推計課税されて追徴されるかなど、税務署の手法が分かる。
 訴訟で判決を取っても調査には限界があり、税務署と同等の調査能力がある国家機関が設立されて、支払のない債務者から回収できるようになればいいのにと思わせられた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月29日 (水)

えらいシャキシャキのレタスやなあ

 朝9時30分に日弁連の会議があるため、新幹線のホームで手作りのサンドイッチを購入して新幹線の車内で朝食として食べていた(サンドイッチが好きなんです。私。)。

 レタスとハムと卵のサンドイッチだったのであるが、レタスがやたらシャキシャキしていて噛みきれない。
 何とか噛んだが、噛みきれないのでさすがにおかしいと思って口から出して見てみると、プラスチックのフィルムであった。

 おそらく、レタスを包んでいたフィルムであったと思われる。
 文句を言おうにももう新幹線の中であり、米原近くであったのと、実害はなかった(飲み込まなかった)のでもういいかと思ってそのまま東京に向かった。
 口の中で違和感を感じたら、早めに何かを確認することも大事だと思ったものである。

 以上。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月28日 (火)

読書日記6月28日

「池澤夏樹個人編集 日本文学全集17 堀辰雄 福永武彦 中村真一郎」

 池澤夏樹氏が個人編集する日本文学全集の一冊。
 私のように文学に疎いまま40代になった人間にとって、こういう全集は新しい作家に出会えるし、文学の奥深さを教えてもらえるのでありがたいのである。
 堀辰雄といえば、「風立ちぬ」が有名であるが、ここに収録されているのは蜻蛉日記をベースにした小説2編である。
 王朝時代の男女の心の動きが分かるし、現代の人間の心の動きにも通じる。
 読む価値のある2編である。
 福永武彦という作家は、情けないことに私は全く知らなかったのであるが、池澤夏樹氏の実父であり、秀逸な作品を送り出している作家ということがこの全集を読んで分かった。
 あまりにも作品がいいので、読み終えた後作品を10冊ほど購入してしまったほどである。
 心が落ち着いている時にじっくりと読みたいものである。
 ここに収録されている作品は、「深淵」「世界の終わり」「廃市」という3編である。
 暴力で犯されたがその男性と一緒にいる敬虔なクリスチャンの女性の心の動きと放火殺人犯の男の心の動きを対比して描く「深淵」。
 狂気の境で苦しむ妻を描いた「世界の終わり」。
 四角関係とでもいう関係性を描いた「廃市」。
 3編とも非常に秀逸な作品であった。
 福永武彦の長編を読むのが楽しみである。
 最初は何を書いているのか分からないが、途中から物語が急展開を迎える異国の女性との交流を描いた中村真一郎の「雲の行き来」。
 どれもが人生に必要不可欠ではないかもしれないが、人生を豊かにしてくれる作品であると感じた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月27日 (月)

野菜作り

 畑を借りてまで野菜を作りに行くだけの情熱もないが、自宅の庭のプランターで今年の野菜を作っている。キュウリは物凄い勢いで育ち、既に8本くらい収穫しているが、これはその中の一本。食べてみたが、普通に買ってきたものと味は変わらない。

 年齢がいった男性が野菜を育てたりするようになるのはなぜなのであろうかと思っていたが、自分もそうなっている。毎日少しずつ大きくなっていく野菜を見ているのは楽しい。
 後はナスビとトマト、唐辛子を育てている。芋も植えてみたが、プランターでは難しそうであり、これは今年の秋の育ち状況を見て、再考を要しそうである。
1466403015799

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月24日 (金)

読書日記6月24日

「興亡の世界史 インカとスペイン 帝国の交錯」講談社。網野徹哉。

 インカはスペインの侵略により滅ぼされたというのが私の乏しい歴史的知識であったが、インカの王族達がその後生き残り、独自の勢力を築き上げていたことや、インカという概念自体が歴史の中で変容し、スペインに対して「インカ王」であるとして大規模反乱が起こったことなど、知らないことばかりであった。
 かなり突っ込んだ内容となっていて、深い内容でもあるので、一般的にお勧めできる本ではないのだが、私のような世界史の知識があまりない人にとっては、非常に刺激的な一冊であった。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月23日 (木)

アゲハの幼虫

 少し見づらいが、中央あたりにアゲハの幼虫がいる。おそらくはキアゲハであろうか。

 最初は鳥のフンに擬態しており、5回脱皮を繰り返すと5齢幼虫になり、この後はさなぎになるのである。
 ミカンの木を買ってきて、ミカンがそのうちなるといいなあと思っていたところ、ミカンの葉はアゲハの幼虫の餌であり、早速幼虫がついていたのである。
 1匹だけなのと、駆除するのも何となくかわいそうであるので放置していて、毎日居るかどうかを眺めていたところ、ある日の夕方こやつが消えていた。
 鳥にでも食べられたかと思っていたところ、ネットで調べると、サナギになると身動きできないため、安全なところでサナギになるため大移動をするということである。
 庭をだいぶ探したが、私に見つかるようでは安全に過ごせないであろうから、見つけることはできなかった。
 真相は不明であるが、せっかく大事なミカンの葉を食べることを容認したのであるから、無事アゲハになって、庭の初代小次郎の墓の周りを飛んであげて欲しいものである。
160617_083001

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月22日 (水)

保険会社側代理人も困る

 交通事故事件を一定件数以上扱っているが(全て被害者側)、「この事件でこの判決はないだろう」とか、「この事件でこの和解案はおかしいだろう」という内容のものをもらうことがあった。
 そうしたことが以前繰り返しあったので、保険会社側の代理人と雑談をしていて、保険会社としても困らないかと聞くと、「保険会社としても困る」ということであった。
 その内容で一審を勝っても、高裁でひっくり返ると意味がないからである。

 保険会社としても一審で解決する方が顧問弁護士の弁護士費用も抑えられるだろうし、遅延損害金もおさえられる。しかし、一審に説得力がなく被害者側に控訴されるとコスト的にも困るだろう。
 保険会社としても落としどころというか、解決するポイントは「ここ」だろうということを考えていても、訴訟である以上ギリギリで主張は中々しないこともあるだろう。
 ところが、裁判官の中には、保険会社側の主張をそのまま採用してしまう人が居て、こうなると保険会社側も逆に困ることがあるのである。
 被害者側も「これくらいの和解案は最低出るだろう」と思っていると、どうしようもない和解案が出るなどして、予定が狂うことになる。

 双方の代理人から信頼されない裁判官は、不幸であるし、猛省してもらって、事実認定能力や事案の筋を見通す力を持ってもらいたいものである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月21日 (火)

読書日記6月21日

「世界で最も貧しい大統領 ホセ・ムヒカの言葉」双葉社。佐藤美由紀。
 少し遅れたが、ホセ・ムヒカのスピーチや人生哲学に裏打ちされた発言を読ませてもらった。
 これを読んだら、少しお金を稼いだからといってすぐにベンツを買ったりする弁護士は恥ずかしくなるだろう。
 私自身も恥ずかしい。
 物欲に流されて、金を稼ぐことだけにあくせくして、大事なことを忘れている現代に生きる人達に読んで欲しい一冊である。
 私はムヒカのような生き方はできないが、少しでも近づきたいと思わせられる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月20日 (月)

控訴しない理由

 どうしようもない一審判決をもらうことがままある。
 一審判決がどうしようもない場合、勝訴していても、控訴されるとひっくり返されたり一部敗訴する可能性もあるため、判決書を読んでも嬉しくない時がある。
 どうしようもない判決で負けると控訴理由書が書きやすいので、それはよいのだが、依頼者が控訴しないといわれるとそれまでである。
 控訴しない理由としては、

1、費用が続かない。
2、裁判所というところに幻滅してしまって、やる気が失せてしまった。
3、依頼者が他に懸案事項があり、裁判どころではなくなってしまった(本人や身内の病気など)
4、いい判決の場合、依頼者が判決に納得した
 などがある。
 代理人としては控訴したいのであるが、代理権は審級単位なので、ご本人に説明をしても、ご本人がしないと言われるとどうしようもないのである。
 裁判所も控訴が出なかったからといって、自分の判決がよかったためという時もないではないが、そうでもない理由の方が多いと思っておいて欲しいものである。
 特に、高裁で結論がよく変わる裁判官は反省してもらいたいのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月17日 (金)

ファックスによる勧誘案内

 前にも書いたが、ファックスによる勧誘案内をしてくる業者が多数ある。
 こちらは資料を送って欲しいと依頼したこともなく、一方的に送りつけてくるのである。

 セミナーの案内や弁護士ポータルサイトの案内、破産管財事件で売却するものがあれば売却して欲しい等である。

 全く見ず知らずのセミナーに行く人がいるのかどうか知らないが(私は絶対行かない)、弁護士ポータルサイトもファックスで送られて登録してみようかなとはならないと思う(私は絶対登録しない)。
 また、どこの業者か分からないのに、管財事件で預かっている不動産に売却を打診することもない(若い頃、ファックスが来て電話もあるのでやむなく入札に参加させたところ、買い主を見つけてきたはいいが、仲介業者として全くだめで、結局売買が流れたことがあった)。

 その上、ファックスはこちらのトナー代(コピー機はコピー機本体のリース料金の他、使ったコピーやファックス、打ち出した文書に対して、別途1枚5円とかでお金がかかるのである)を使って相手の広告を送りつけてくるもので、その態度がなってないと思うので、ファックスで来た瞬間、裏紙行きが決定するのである。

 以上。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月16日 (木)

出張の時のキャリーケース

 先日駅で歩いていると、高齢の女性にキャリーケースを思い切り足にぶち当てられた。
 一応サッカーをしてふくらはぎ周り、すね周りも相応に筋肉はあるので痛みはあったものの怪我などはしなかったが、骨粗しょう症の人や子どもであれば怪我をするくらいの当てられ方であった。
 二輪のキャリーケースだと、どうしても身体の後ろで引っ張ることになるので、キャリーケースがどこにあるのかを認識しづらいし、あまり考えもせず引っ張っている人はこうして各所で他人の足にぶち当てているのであろう。

 私は出張の時は四輪のキャリーケースを使用している。
 これだと、身体の横につけておけるので、他人に当てる確率が減るし、床面がでこぼこしていなければ運ぶのもラクだからである。
 荷物も斜めになることもない。
 鞄を買うときに「絶対四輪にしよう」と思って探したのだが、品揃えはやはり二輪の方が多く、アメリカ製のパスファインダーという安価かつ飛行機の棚に入るものを選んだ。
 自宅にも事務所にも同じものが一つずつある。

 二輪のキャリーケースよりも車輪をつけるのが大変とか色々あるのだろうか。
 もっと四輪キャスターが普及して欲しいものである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月15日 (水)

スマホを打ちながら歩く人

 電車で通勤していると、駅のホームでスマホを見ながら歩くだけではなく、LINEにメッセージを打ち込んだり、ゲームをしながら歩く人が多い。
 こういう人は、ゆっくりと歩くかほぼ立ち止まるくらいのスピードで歩くため、正直ものすごく邪魔である。
 ビジネスマンである私はたいていは急いでいるので、こういう人が前を歩いていたり、進路をふさがれているとかなりムカッとする。
 ひどいのになると、改札を出ただはかりのところで打ちながら立ち止まるという人も居る。
 家の中ではないのであるから、他人に迷惑がかかるということをもっと認識してもらいたい。

 スマホを触っている時間が長く依存している人が多いようである。3月に出された内閣府の調査によると、高校生は平均で1日2時間はスマホを見たり操作しているということである。
 24時間あるうち、3分の1寝ているとすると、16時間のうち2時間であるから、8分の1の時間である。
 駅などの通路や改札の出口ででも触っているというのは、別段学生に限らず、成人している人でも多数居る。
 外で他人に迷惑をかけているということをもっと自覚してもらいたいものである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月14日 (火)

読書日記6月14日

「脳梗塞日誌」大和書房。日垣隆。
 そして殺人犯は世に放たれる(買っているが私は未読)などで知られるジャーナリストの著者が健康に相当気を遣っていたにもかかわらず、身体も鍛えていたのに脳梗塞を発症して100を超える障害と向き合わなければならなくなった。
 脳梗塞を発症した患者が病院の中から発信するという内容である。
 脳梗塞を発症した時に、リハビリがいかに大事かが分かる一冊であるが、病識がないと、リハビリもしないのでそこが難点か。

 私は交通事故で高次脳機能障害の事件を一定件数以上扱っているが、カルテに基づいた主張を書く際に、リハビリをしない本人に家族や病院がどのようにしてリハビリをしてもらうかということが書かれていることがあるので共感しながら読めた。
 著者のさらなる回復を祈りたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月13日 (月)

金払いの悪い人

 宴会などで立て替えて支払って後日清算することがあるが、金払いの悪い人は嫌である。
 私などは請求が来たらその日のうちか翌日には支払わないと嫌なタイプなので、そういう人の気持ちが分からない。
 のんきで忘れている人もいるが、遅い人は遅いし、直ぐに支払う人はいつも速い。

 依頼者でも依頼しておきながら費用を支払わない人がいる。
 仕事でやっているので、こちらも費用をもらわないとできないのだが、お金の支払いが素早しい依頼者は全てにおいてきちんとされているようである。
 支払えない場合、その理由をきちんと説明するために連絡してくれる人もそうである。
 金の切れ目が縁の切れ目というが、お金がなくなると人がちやほやされなくなったり逃げていくという意味であるだろうが、必要なお金を支払わない人は信頼されないという意味も込められているようにも思われる(完全な個人的見解ですが)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月10日 (金)

大病と健康その2

 その後事務所を構えて少し経った頃にかなり多忙であったところ、息ができなくなったのである。
 病院をいくつか行き、自宅近くの大きい病院では「心臓が悪いのではないか」「背骨が曲がっているからでは」とか検査をしまくられた。
 喘息の疑いありということで気管を拡げる薬をもらっていたのだが、これを飲んだら心臓がバクバクいって「死ぬ」と思い救急車を呼んだ。
 そのとき救急の部屋に運ばれて処置を受けたのだが、横で交通事故で死んでしまった人がいたり、恐ろしいところに運び込まれたと思っていたのだが、最初はインターンのような医師が診ていたのだが、最後はそこの部長が診てくれた。
 私は亡くなった弁護士の原健先生という方と親しかったのだが(ある人によると、前世では親子だったらしい。私が親らしいけど)、その先生がそこの部長と懇意にしていたため、その部長に「絶対に死なしてはいけない弁護士さんやから」と言って電話をしてくれて、病院まで来てくれたのである。
 結局これは薬の副作用であったのだが、あちこちたらい回しにされるのに嫌気がさして滋賀県の町医者だが呼吸器科の名医の先生のところに行った。
 その先生は私の症状を読むなり(当時息が苦しかったので、紙に打ち込んでいった)、「中さん、喘息以外の何物でもないね。」と言ってくれ、治療をしてくれて一気に回復したのである。

 喘息というのは気管が炎症を起こしているので、ひどい時にはその炎症を取る為にステロイドの粉の吸飲薬を一時的に3倍くらい朝晩吸うのがよいとされていて、喘息の専門書にも書いてある(事務所に行くことができなかったので、大きい本屋に父親につれていってもらって息も絶え絶えになりながら専門書を購入してきたのである)。
 しかし、自宅近くの大きい病院で私がそうした治療もあるのではないかと言ってみたところ、学生のような若い医者は、「医者のいうことに口出ししないでもらいたい」と聞く耳を持たなかったのである。
 滋賀県の先生は、まさに私が専門書で調べたことを即座に実行しようと言ってくれたし、また、確定診断をその場でしてくれたので、本当に安心したのである。
 あの先生に巡り会わなかったら、大病院で検査ばかりされて殺されていたと思っている。
 その先生は亡くなられてしまって残念であるが、大病を二回して気づいたことは次のとおりである。
 1、過労は避ける。
 2、睡眠時間を確保する。
 3、ストレスを適度に発散する。
 4、運動する。
 5、医師のいうことをそのまま信じるのではなく、自分でも調べる。医学的知見をぶつけてみて聞く耳を持たない医者には行くのをやめる。
 特に重要なものは5で、これを実践しなかったら死んでいたであろう。
 今は発作もなく、予防の薬さえ吸引していればどうもないし、サッカーもできているのでありがたいことであるが、過労になると発作が出るとされているため、過労気味にならないよう気をつけているのだが、仕事の都合で疲れ気味となることはある意味致し方がないのである。

 若い弁護士やこれから弁護士になる人は、若さにかまけて身体を顧みないと本当に死ぬことがあるので、要注意である。

 以上。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月 9日 (木)

大病と健康その1

 私は弁護士になってから2度倒れているが(インフルエンザとか扁桃炎はともかくとして)、大病をするとその後は身体に気をつけるようになる。

 最初に倒れたのは勤務弁護士の時で、少し動いても心臓がバクバクいうので、病院に行ったところ、「頻脈」の状態となっていて、実は過労死の一歩手前まで行っていたのである。
 医者からは完全静養を勧められた。
 1日休んで出勤したところ、これを聞いたY下N子弁護士からこっぴどく叱られて、「医者が静養というのは1週間は最低休まないとだめ。それで死んだら何にもならへんよ」と言われたのである。叱られて、確かその後3日は休んだ記憶である。

 当時手持ち事件が200件を越え、事務所の中小ローンの事件だけで90件以上あり(全国展開していたので出張付き)、事務所の一般事件を50件ほどやり、自分の事件も60件ほどあった。当時は破産申立が多く、相談に行くと4~5件破産事件を受任して帰ってくるという状態で、破産の申立未了事件がある程度たまっていたのである。
 私は自分でいうのも何だが、仕事が遅い方ではないのであるが、当時は毎日11時くらいまで事務所で仕事をするか、事務所は8時くらいに出ても自宅に帰ってから10時くらいから12時くらいまでずっと起案をしているという毎日で土日も出ていた。
 その合間に地方出張もあり、正直目が回るほどの忙しさであった。
 その時は元気なつもりであったのだが、どうやら気持ちが張り詰めていただけのようで、一気に体調が悪化したというものであった。
 事務所に対する売上の貢献も年間1億5000万円くらいは1人であげていた。
 しかし、その時は給与もあげてもらえず、そのあたりの他の事務所の勤務弁護士(事務所の事件30件程度)と変わらない給与しかもらっていなかった。
 お金だけで測れるものではないが、今にして思えばものすごい薄給でとんでもない仕事量をしていたのである。
 今は経営弁護士となったが、あんな勤務弁護士がいたら、それは経営弁護士はラクであったろうと今にして思うのである(自画自賛ですいません。)。

 経営弁護士には概要を報告するだけで着手金をもらい事件を解決し、報酬ももらい事務所に入れてくれ、時には事件をした依頼者から顧問の話も持ってくるのであるから、いうことなかったであろう。
 話が逸れたが、まあこんな仕事のやり方をしていると、いくら若いとはいえ身体を壊すのである。渉外事務所の弁護士とは異なり、ややこしい相手方から怒鳴り込みの電話にも対応しないといけないし、暴力団が占拠している不動産の占有移転禁止の仮処分に行ったりなどしているので、普通の弁護士の仕事量でこれだけやるとさすがに倒れるのである。
 若い弁護士が点滴を打ちながら仕事をしたという話を聞くと、若いから無理が利くのだなあという思いがある一方で、最悪間に合わない場合は裁判所に「もう一期日ください」といえるくらいのところもないと、時には身体を壊すと思っている。
 当時はストレスも今の比ではなかったので、酒も水を飲むように飲んでいて、これもまた身体に悪かったであろう。
 何事もほどほどにしておかないといけないということである。
 今はあれから16、7年が経ったので、そんな仕事量をすることもできないので、若い先生方に手伝ってもらいながら、細々と事務所を経営しているのである。
 つづく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月 8日 (水)

人生と酒

 飲めない身体に生まれていた方がよかったと思う時もあれば(二日酔いで)、もう二度と飲まないと誓う日もあるのだが(二日酔いで)、結局のところ酒を飲んでしまう私なのである。
 ありていにいうと、酒無くして何が人生だと思っている。これは、亡くなった中村利雄弁護士も同様であった。

 身内で酒が飲めるのは私だけであり、唯一の例外が父親の父親(祖父)であったので、私はどうやら祖父に唯一似ているようである。父親もほとんど飲めず、父親の弟も一滴も飲めず、母方も誰も飲めない。私だけ突然変異のようである。

 祖父は酒の飲み過ぎで早く死んだので、気をつけるように父から言われている。
 しかし、祖父の飲み方は業務用の焼酎のボトルで飲んでいたというもので(リカーマウンテンなどに行くと売っているベコベコのペットボトルに入っているやつで、あれを買うのは本当の酒飲みである)、私は宴会などで飲み過ぎる以外は一応節度はもって飲んでいる。

 田中角栄は亡くなる少し前はジュースのようにオールドパーを飲んでいたというような記述をどこかで読んだのであるが、そういう飲み方をするときっと危ないであろう。

 
 ワインはあまり好きではなく、ワインについてプロ相手にワインを語るような人も嫌いである(本当に詳しければ別だけど)。昔は日本酒が好きであったが、翌日残るのと、太るので最近は専ら焼酎とウイスキーである。
 ウイスキーの銘柄は少しは分かるが、あんまり詳しくなると安西水丸さんが昔何かの雑誌で書いていたように、ボウリングに凝って自分のボールを持ち運ぶ人みたいで凝りすぎるのも粋ではないと思っている。
 バーで珍しいウイスキーを出してもらって「へええ」と間抜けな顔をして飲んでいるくらいがちょうどいいのではなかろうか(私はその程度である)。
 カクテルはギムレットのみである。これは言わずとしれた、フィリップ・マーロウが小説の中で飲んでいたカクテルであり、これ以外は飲まない。
 弁護士の仕事は天職ではあると思っているが、ノーストレスという訳にもいかないので、いい酒を飲んで明日への活力に備えたいものである。ただし、飲み過ぎずに。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月 7日 (火)

読書の時間

 読書日記をブログで書いていると、「よく本を読む時間がありますね」と言われるのだが、通勤に片道1時間ほどかけているので、電車の中で読むのである。実際に電車に乗っている時間は35分ほどだが、1日にすると合計で70分になるので、相応に本を読む時間が確保できるのである。
 電車に乗っていると、スマホでゲームをしている人をたくさん見かけるし、電車を降りてもゲームをしながら歩いている人が多いのだが、時間の使い方としてはもったいないと思うのである。
 本を読むにも気力、体力が要るので、仕事で疲れ切っている時にはなかなか進まないのだが、一冊を読み終えて次に読む本を探す時がまた楽しみなのである。
 しかし、読んでいない本も多すぎて、つい最近買った本から読み出してしまい(本は買ったその日に読むのが一番集中できて興味が高いからそれが一番いいらしいが)、昔の本が自宅にも事務所にも積み上げてあり、仕事をするスペースまで減ってしまっているのが困りものである。
 仕事は嫌いではないのだが、時々海音寺潮五郎のように、仕事の合間にそっと本を開きたくなる誘惑に勝ちつつ、仕事をするのである。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年6月 6日 (月)

読書日記6月6日

「ゾンビの科学」インターシフト。フランク・スゥエン。
 題名は三流の書籍のように見えるが、実際は科学のノンフィクションである。
 ロシアで行われていた死体をよみがえらせる実験や、別の昆虫をゾンビ化またはマインドコントロールして自らの子孫繁栄のために利用する昆虫や寄生虫の話などである。
 交通事故を起こしやすくする寄生虫の存在や統合失調症を引き起こすと考えられている寄生虫の話など、興味深い話が書かれている。
 どのような進化を遂げればこうした特質を持つようになるのか、生命というものの底深さを思い知る一冊である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年6月 3日 (金)

ピンククラウン

 先日東京出張に行った時に、偶々乗ったタクシーがピンクのクラウンであった。
 5万台に1台しかないという割合であり、京都のヤサカタクシーも真っ青の倍率である。

 運転手さんは末廣誠さんという方で、もともとレーサーだったということである。
 非常に丁寧な物腰で、かつ、運転もソフトで、「お客さんの首ががくっとなるような停車の仕方は絶対にしない」ということであった。
 今まで何度もテレビ番組で取り上げられているということでもあった。

 この後はびっくりするような遠方まで予約が入っているということで、時間はまだ早かったので、「電車で帰れますよね?」と聞くと、「それはそうですけど、このタクシーで私の運転で帰られたいということなんです」と返ってきた。

 守秘義務があるので名前はいえないのであろうが、超有名な人や芸能人も御用達のようであった。

 後で調べてみたところ、年収1000万円を超えるカリスマドライバーだということである。
 付加価値をつけると、それをよしとして利用される方がおられるということである。
 
 弁護士もそうなればいいのだが(報酬基準は撤廃されたのでいいのですが)、どこかの事務所がしていたように、中隆志の相談料は1時間3万円、他の事務所の弁護士はもっと安いなんてことをする気にもなれないので、ほほうと思いながら聞いていただけの私であった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年5月 | トップページ | 2016年7月 »