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2016年10月 3日 (月)

読書日記10月3日

「幼年・その他」講談社文芸文庫。福永武彦。
 作家池澤夏樹の実父である福永武彦の作品。解説も池澤夏樹。
 母への思いを綴った表題作は、そのあまりにもリズミカルかつ自由な筆致がこころよい。
 草の花のモデルになった療養所でのひとときを描いた短編や、冒頭に見た妻の夢の謎解きが最後に明かされる短編など、珠玉の短編集である。
 福永武彦という作家は最近その作品が復刻されており、人生において読むべき文学であるといえる。
 今のところ、私のお勧めは、順に、「海市」(アマゾンでP+Dブックスというので買えます)、「草の花」(新潮文庫で買えます)、「深淵」「廃市」(池澤夏樹個人編集の文学全集で読めます。)である。まだ読んでいない作品もある。レイモンド・チャンドラーも人生において読むべき本であるが、この作家もまたそうである。

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