読書日記2月9日
「R62号の発明・鉛の卵」新潮文庫。安部公房。
砂の女くらいしか読んだことのなかった安部公房であるが、ピースの又吉が選ぶ文学といいうシリーズが少し前に書店にあったので購入して少し間が空いたが読んでみた。
筆者の初期の短編集ということで、独特の世界観になじめないところがある。
筆者の初期の短編集ということで、独特の世界観になじめないところがある。
物質と人間とを同等あるいは同化して見る作品であったり、死者の視点で見る作品であったりがいくつかある。カフカの「城」を思い出させる作品もあった。
この中では、最後に収録されている鉛の卵が最も好きであった。
へたな文学読みの私としては、別世界、あるいは世界の中で、自分は他の人達と同じと思っていたら、ある日突然異なる存在であった、あるいは存在となった、またあるいは存在であることに気づくというような、絶望的な孤独、異端者なるものというものが作品を貫いているように思われるが、どうであろう。
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