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2017年5月10日 (水)

読書日記「人間はどこまで耐えられるのか」

 河出文庫。F・アッシュクロフト。
 表題だけ見たら何かふざけた本のように見えるかもしれないが、極めて科学的な一冊であった。
 人間はどこまで高いところで平気なのか、暑さ・寒さにどこまで耐えられるのか、どこまで潜れるのか等々について書かれているが、我慢比べをしているのではなく、人間の身体が耐えられる限界がなぜあるのか、いわゆる潜水病が起こる原因や、高度が上がった時に人間の身体に起こる変化などが科学的に語られる。

 寒い海にもし放り出された場合、服は着ておいて、じっとしている方が救助される可能性が高まる原因や、表題とややかけ離れて科学的内容がぎっしりである。
 日本語の副題で「科学から分かる人間の身体のなんとか」などと付けた方がもっと手に取ってもらえたかもしれない(文庫になっているのでそこそこは売れたと思うが)。
 知的好奇心を満たす一冊である。

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