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2018年3月 8日 (木)

読書日記「大洪水が神話になるとき」

 河出書房新社。庄子大亮。

 世界中に大洪水の神話があるのはなぜかについて、地域ごと、類型ごとに分析し、なぜそうした神話が残されているのかについて論考した一冊。
 ほぼ全世界にノア的神話が残されているが、それをもって事実とみるというよりは、洪水神話があったところにキリスト教が伝来し、神話の内容が変容したのではないか、という分析には合点がいった。実際に完全に外の世界から入ってきたものが、いつの間にか部族伝来のものとなっていたというような話も記載されていたからである。
 日本には、ノア的洪水神話はなく、その他の地域にもノア的洪水神話がない地域があるようであり、文章も簡潔で必要十分なことが記載されている。
 好著である。

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