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2019年3月 1日 (金)

読書日記「日本は誰と戦ったのか」

 ベストセラーズ。江崎道朗。
 アメリカの中でアジアの安定のために日本が強い方がよいという派と、弱くなり中国に任せればよいという派の対立があり、ソ連がアジア圏で共産主義及び自国の権益を死守するために自国のスパイをアメリカの上層部に食い込ませて、アメリカと日本を対戦させるように誘導した上、日本の降伏を自国が北方領土等を占拠するまで遅らせたという衝撃の書である。

 これを見ると、ソ連の後を引き継いだ北方領土の占有が国際法的に効力のないものであるということも理解できる。ヤルタ会談の際に交わされたヤルタ密約に基づいているが、院の了解を得ない合意であり、アメリカでは無効とされている。ヤルタ密約により、アジアが共産化し、そのためにどれだけの血が流されたかについても語られている。
 アメリカでは、東京裁判史観が根底から見直されており、当時の内部文書の研究も進み、筆者が書いている内容もそれらの研究に基づいているとのことで、歴史というものは見方により様々な様相を呈することを再認識させられる好著である。

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