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2019年6月21日 (金)

読書日記「マンモスを再生せよ」

 文藝春秋。ベン・メズリック。

 ハーバード大学が挑戦するマンモス再生プロジェクトを追ったノンフィクションである。
 凍結されたマンモスからクローンを作るというようなことではなく(ジュラシックパークみたいに)、マンモスのゲノムを解析して、マンモスの近縁種のDNAを書き換えてマンモスを誕生させようという試みである。
 なぜ、このようなプロジェクトが必要なのか。
 それは、永久凍土に封じ込められている二酸化炭素が解放されると、全世界に計り知れないダメージを与えるということが分かってきたからである。永久凍土をマンモスが踏みならすことで、永久凍土の温度は下がり、二酸化炭素が放出されなくなるのである。永久凍土の極寒の地で、そうしたことを地道に研究している研究者がいるということにも敬服せざるを得ない。
 マンモスは再生できるのか。それは神の領域か。
 頁をめくる手が止まらない好著である。

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