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2020年4月15日 (水)

弁護士と出世その2

 弁護士の中には、事務所を大きくしたいとか、野心的な人もいる。
 私はどうかと言われると、私自身の器は弁護士3~4名程度が適性規模だと考えている。

 ある程度事務所の他の弁護士に裁量はもちろんあるとはいえ、事務所で受けている事件は全てチェックしているし、自分自身1人で担当している事件もある。
 そうなると、勢い今の規模でないと、全ての事件を見ることができないからである。

 パートナーと組んで共同経営というものも、性格に合わない。何を決める時に、協議しないといけないというのは性格的に嫌なのである。

 昔、東京の大手事務所に就職が決まっている修習生から、「先生はどうしてトップを目指さなかったのですか」と聞かれたことがある。
 その修習生のいうトップとは、東京の大手事務所に就職して、そこで頭角を現すということなのであった。
 それをトップと思っているところ自体にも苦言を呈したが、弁護士同士で、こういう仕事をしたからトップ弁護士だというものはないし、事務所が大きければそれでいいものでもないと思っている。それを「出世」と考えるのであれば、そもそも弁護士になどならない方がいい。

 私は、事務所に来られた依頼者1人1人を大切にして、その事件に真摯に向き合うということしかできないし、それが弁護士としてのありようだと思っている。
 事件の種類でもないし、訴額の多寡でもない。
 そもそも、他の弁護士と比較して自分がどうだとかいう思いも全くなく、そうした人間でないと弁護士としていい仕事はできないと思っている。

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