財テクの危うさ
何かの番組で見たのだが(基本ニュースが多いので、報道番組だったと思う)、節約して株式をコツコツと買ったり、不動産をローンで買って賃貸に出して、またさらに不動産を買って賃貸に出すということをしてお金を貯めて早期リタイアしようとしている若者が割合いるとのことである。
財テクをしてお金を貯めていくということなのであろう。
株式については、現状の株価高はエアーと呼ばれているし、私自身実際にそうだと思っている。
日銀が年金の資金等から日本の株式を購入していることは様々なところで報じられている。
株価を下げないためであるが、こんなことはいつまでも続きはしないし、大量に投資をしている投資家が日本の株式を一斉に手放せば株価は下がるであろう。そうした投資家にとっては、株価が高い今、「どこで売却するか」のタイミングを見計らっている気がする。
バブルがはじけた後に日本経済が一気に悪化したように、エアー高もいつまで続くか分からないと思いながら報道を見ていた。
所有している株式がその会社が破産して、ゼロ円になることもないではないのである。
ローンを組んで次々に賃貸に出すというのも同じで、賃料が入ってくることが前提になっているが、賃貸借契約の場合、必ず賃料の滞納の問題がついて回る。
賃料からローンの支払いをしている場合、ローンの支払いができなくなる上、滞納した状態で居座る賃借人を退去させるには訴訟が必要であるし、弁護士に依頼すれば弁護士費用がかかる。判決が出ても退去しない賃借人はあまたいる。そうすると強制執行費用も必要である。
荷物を残して賃借人が退去だけした場合、強制執行の後は荷物の処分費用も業者に支払わないといけない。
こうしたリスクが顕在化した事例は弁護士としてあまた見て来ている。
どこかで不動産を売却することも考えているようであったが、不動産の価格は年数とともに下落していくから、その時点のローンが消えない場合もなくはないのである。
不動産賃貸を業としてされている場合、そうしたリスクヘッジができるほどたくさんの物件を保有されていることが多い。
私は株も持っていないし、投資用不動産にも興味がない。
それで失敗した人の事件をやってきたからである。もちろん成功している人もいるが、そうした財テクに労力を割くよりは仕事をする方がいいという価値判断である。
コツコツと自分の仕事を頑張ろうと思ったのであった。
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