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2021年5月21日 (金)

読書日記「ロヒンギャ危機」

 中公新書。中西嘉宏。

 ミャンマーにおけるロヒンギャ問題について掘り下げた一冊。
 ロヒンギャとは何か、ミャンマーの成り立ちと政治構造の問題が何か、また、2017年に起きたロヒンギャ危機とそれによる難民の発生について整理した一冊。アウンサンスーチーはなぜこの問題を黙認するのか。深い根がある。
 一度はこの問題について整理したいと思っていたので、これは格好の一冊であった。
 今ミャンマーは国軍の国民への殺害行為が国際社会で非難されているが、それ以前の「民主化」されたとされるミャンマーの暗い部分を整理されている。著者は欧米的な正義がミャンマーの政治問題を解決できるかという問題にも触れるなどしているが、背景を知ることで、今回の国軍の行動がなぜ発生したかも伺い知ることができると思われる。
 我々が知らないところで何が行われているのか。
 好著なので、一読をお勧めしたい。

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