少し間が空くと手続を思い出す必要がある
刑事事件に被害者が参加した場合に、かなりの件数でその代理人となってきた。
被害者参加代理人の経験件数は日本の中でも多い方であろうと思っている。
ただ、裁判所の統計によると、被害者参加の対象事件でも、現実に被害者が参加している事件は割合に少ない。
元々件数が少ないし、私以外の弁護士も当然被害者参加される方の代理人になることも一定程度あるはずなので、私自身も、被害者参加をしている事件が常時あるほどでもない(並行して受任できるほど簡単な事件ではないということもある。)。
たまに、刑事事件の際に他の弁護士を依頼していたが、その弁護士の活動に不審を抱いて民事から依頼されてこられる方もいるが、刑事記録を読み返してみると、参加代理人弁護士の活動を見て、「もっとやりようがあったよね。。。」と思うこともないではない。
話が逸れたが、常時受任している訳でもないので、私も少し間が空くと、手続を忘れるので、特に国選で依頼を受ける場合、毎回条文を見て、手順を確認し、手続を見直している。
新米の検察官などだと、被害者参加の経験がなかったりするので、トンチンカンな連絡をしてくることがある。
そもそも被害者参加の事件数自体が少ないので、検事も対応の仕方を知らないことが割合あるのである。
刑事事件の専門家なのだから、細かく内部で研修などしていないのだろうかとも思うのだが。
国選だと言っているのに、参加許可が出る前に、「委任状を出してください」と言ってきたりする。
いや、国選なので、裁判所に参加が許可されてから法テラスには委任状等出しますが、委任状を私が直接出したら私選ですよね、という話をしたりする。
裁判所に提出する参加の申出書を作ってください、と言われたこともある。
刑事訴訟法上は、検察官に被害者が参加の申出をして、検察官が裁判所に被害者の参加の意思を伝えることにされている。なので、被害者が裁判所に申出をすることはないのである。そのことを指摘すると、慌てて「確認します。」となったりしたのである。
私に指示する前に条文を調べてもらいたいものである。
なので、新しく被害者参加の事件を受ける時は、基本に立ち返り、条文を調べて法テラスの手順等も確認している。
間が空くと人は忘れてしまうし、思い込みもあるからである。
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