読書日記「コロナ後の世界」
文藝春秋社。内田樹。
コロナ対策についての政治を怒り、縁故主義を怒り、反知性主義と日本の劣化、不寛容な社会に怒る著者のエッセイ集。
以前に読んだエッセイ集のうち、いくつかが刺さったので(著者のいうことに全て納得している訳ではないが)、購入した。
読んでいるうちにこちらもふつふつと怒りがわいてくるが、問題は著者が怒りの対象としている自民党に変われるだけの政党が日本にないということであろう。
立憲民主党がゼロ・コロナと言っていた時点で誤解を与えるし、ウイルスゼロという趣旨であれば不可能な話であり(そういう趣旨ではない模様)、投票に行った人の中の沈黙している人たちは、ウイルスゼロと誤解し、「それは無理」と思っていたのではなかろうかと思っている。
だからといって二大政党制のアメリカがいいとも言えないのもまた困りものである(ジョンボルトン回顧録や、ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史上下巻を読むとアメリカの内情がよく理解できる。まだ読んでいない人は是非お勧めである。)。
処方箋はないが、今の日本の誤っている状態を整理したい人は一読をお勧めする。
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