今週の小次郎
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文藝春秋。高野秀行。
人の行かないところに行き、「なぜそんなことに興味を持つのか」といつも思わせられる著者の新刊。
イラクにある巨大湿地帯「アフワール」、現代最後のカオスと呼ばれる地域に潜入する。
そこは湿地のため軍隊も入ることができず、水路のため方角すら分からなくなる。
なぜそこに行こうとするのかというツッコミが頭をよぎるが、読んでいくうちに著者のペースに引き込まれるのである。
お勧めの一冊である。
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秋は新しい手帳が発売されるシーズンでもある。
私は弁護士になってからずっと、大阪弁護士会協同組合が出している訟廷日誌の合冊版を使っている。
最近は普通の手帳や、Googleカレンダーで日程を整理している弁護士もいると思う。
先日、相代理人が、次の調停の日程を決める際、Googleカレンダーに登録しようとしているのだが、まずカレンダーが開かず、登録もうまく行かず、それだけをただ待っていた時間があった。
紙の方が早いですよといったのであるが、「事務員に予定が分かるように、これでせな怒られるねん」「カレンダーに書いて、手帳にも書いてるんやけど、どっちかしかなくて予定がわからへんようになることあるねん。」「いくつか候補でGoogleカレンダーに書いて、予定が決まってるのに消し忘れて、これ何の予定かわからないで焦ることがあるねん」ということであった。
紙の手帳に統一して、時々事務局にGoogleカレンダーに書いもらう方がよいのではないかと助言したのだが、どうなったことであろう。
Googleカレンダーは違うところにペタっとしてしまうこともあり、私は未だに紙派である。
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遺産分割調停などで、相手方が本人の時に、相手方が多数いる場合、証拠の副本は人数分出さないといけない。
全員に代理人が就いていると、副本は1部でよい。
不動産の査定書などは、相応に量があるので、事務局のコピーの手間も大変である。
先日も多数当事者の事件で不動産の査定書の副本を送ったところ、「前回の期日のあと、B弁護士が就かれていますよ。」と裁判所の書記官。
家裁からでもよいのだが、代理人になったら、せめてその時点で私宛に代理人から通知が欲しい。
多数したコピーが無駄となる。
気配りが欲しい秋の1日であった。
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秋になると翌年の六法が発売される。
私は普段はポケット六法(有斐閣)を使い、ポケット六法にないものは模範六法を使い、それにもないものは有斐閣の六法全書で探している。
ポケット六法と模範六法は毎年買い換えて、2つある来客室にも模範六法は置いてある。
有斐閣の六法全書はさすがにそこまで使用しないので、数年に一度買い換えることにしている。
古い六法は、顧問先で欲しいところにあげると、1年前のものでも喜ばれる(ただし、法律が変わっていることもあるので、注意して使ってくださいとは言ってある。)。
しかし、最近はウェブでほとんどの法律を引くことができるし、検索も可能なため、使う頻度が減っているのが実情である。
昔、「六法全書しか頭に入っていない弁護士は黙っていろ」と相手方本人に言われたことがあるが、入っているはずがない。
その都度せこせこと調べて、条文を見ただけでは分からない場合にはコンメンタールや注釈、基本書等で調べるのである。
そして、だんだん昔覚えたことも忘れるので、基本的なことでも調査、調査である。
余裕があり、調べ物をしている時が弁護士の醍醐味である(故中村利雄弁護士談)。
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幻冬舎新書。堤未果。
大衆・市民に対してショックを与えて、そこにつけ込んで浦で暴利を得るという手法を多数整理されている。
思考停止に陥らせて、暴利をむさぼるのである。
コロナ、戦争、気候変動、食糧危機等。
これは、令和5年内に是非読むべき一冊である。
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ある日の会話。
私「あのー。あの先生なんていうたかな。N法律事務所のOなんとか先生。」
相手「あー。名前なんやったかな。顔はでてるんやけどな。」
私「そやねん。顔は出てるねん。」
相手「こういう時はスマホで検索してでも確認しておかないと、さらにボケるらしいで。」
私「検索するわ。ああ、OK先生やったわ。」
相手「ああ。OK先生ね。」
私「ほんで、なんでOK先生の話してたんやろ?」
相手「なんでやったやろ?」
歳は取りたくないものである。仕事中は大丈夫(なはず)ですのでご安心ください。
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光文社文庫。雪富千晶紀。
湖で開催される予定のトライアスロン大会。
大会が開催される以前に、数名もの人物が姿を消す。
海洋学者が、大会を開催する市の担当者にこの湖にはオオメジロザメがいるという。
姿を消したのはサメによる襲撃なのか。そもそも淡水でオオメジロザメは生息できるのか。
サメパニック小説であり、サメの動画などもたくさん見ている私にとっては楽しめた。
娯楽小説なので、肩の力を抜いて読むことができる。
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講談社文庫。向田邦子。新装版。
これも本屋でお勧めの文庫50冊の中にあり、表紙に惹かれて購入した。
エッセイ集だが、この人がわずか飛行機の墜落事故でわずか51歳で亡くなったと思うと、この中で自身の老後のことを書いているところを読むのは辛い。
長命されていれば、さらなる名作ドラマや、秀逸なエッセイを書いてくれたであろう。
最後の爆笑問題の太田光の解説も秀逸。
夜の読書にどうですか。
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メールで同じ内容に返信返信としていると、過去のメールがそのまま後の方に残っていて、長くなりすぎる。
パソコンでしているとあまり気にはならないのだが、ウェブからスマホでメールを返信しようとすると、「字数オーバー」と言われて、メールを全部消さないと返信ができなくなることがある。
それが困るので、依頼者や相手方代理人とのメールは、どこかの時点で過去のやりとりは消してすっきりさせるようにしている。
メールはデータが消える可能性もあるし、後で経過を読み返すのにも役立つので、よほどの事務連絡レベルのものでない限り、打ち出して記録に綴じている。
死亡事故の被害者のご遺族とのメールのやりとりだと、メールだけで20㎝くらいの厚さとなることもある(訴訟になっている場合は、別途連絡文綴りを作成して、別に綴じる。記録の本体中に綴じると何が何か分からなくなるからである。)。
表題も時折現時点のものに修正するようにしている。
細かなことだが、後で読み返す時に役立つことがある。
プロの仕事には、ディテールにもこだわりが必要なのである。
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