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2024年9月 5日 (木)

何を読めばいいですか

 「本を読まないといけないと思っているのですが、何を読めばいいでしょうか。」と聞かれることがある。
 読書はやらないといけないと思ってするものではなく、本が読みたくてするものだと思うので、こう聞いている時点で読書欲がないのではないかと思っているのでそう指摘する。私などは読みたい本が山ほどあり、何から読めばいいのかいつも悩んでいる(一冊読み終わると、読む本を探すのに苦労する。どれもこれも自宅の部屋にある未読の書籍の中から目移りしながら選ばないといけないためである。)。

 そうはいってもお勧めの本はあるし、こう読むといいという方法もあるので、それは回答している。
 ある作家の本を一通り読むと、その作家の人となりや物の見方が分かり、他人の考えに触れることができるので、バラバラに読むよりはある作家のものを一通り読むのがよいと回答している。例えば司馬遼太郎であったり、村上春樹、レイモンドチャンドラーであったりなどである。
 あとは時を経て古典として残っているものは、やはりそれだけ普遍的といえるので、古典から入るのもいい。
 その中では、夏目漱石を薦めている。夏目漱石が朝日新聞で日本語とはこのように書くのだということを示してくれたおかげで、今我々は誰でも教育を受けていればそれなりの文書を書くことができているからである(司馬遼太郎による)。
 ジャンルも自然科学、ノンフィクション、小説(特に文学)とまんべんなく読むのがいいと思う。

 いつ読むのかと聞かれるが、私は電車通勤しているので、その間で読んでいる。
 最近は夜は目が疲れてしまい読めていないが、夜に1時間は読書の時間を取るなど決めるのもいいと思う。
 ただ、夜に血湧き肉躍るというような小説を読むと寝付きが悪くなるので、そういう本は早起きして読んだ方がいいかもしれない。

 海音寺潮五郎は小説を書く合間に本が読みたくて仕方がなく、隙を見て読んでいると配偶者に見つかり慌てて読んでいた本を隠したというような逸話がある。
 本を読むと得られない人生経験や物の見方を得ることができるので、読書をしないのは人生において多くのものを失っていると思う。
 読書、しませんか。

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