読書日記「百年の孤独」
新潮文庫。ガブリエル・ガルシア=マラケス。
話題となっていた本が文庫化されたものである。
多くの作家に影響を与えた作品とされているが、最初は酷評されたという話も聞く。
私の周りの文学読みも、複数の人が、「何回かチャレンジして断念した」という作品であり、癖がある。
まず何といっても、登場人物の名前が同じということが挙げられる。
同じ名前が何度も出てくるので、いちいち「これ、誰やったっけ。。。」と登場人物リストに戻らないといけない。
プエンデイア一族の百年の栄枯盛衰を描いた作品であり、悲劇の物語である。表題の「孤独」の意味も様々に取ることができる。
読み終えるまで相当な時間を要して、途中で断念した人の気持ちも分からなくはなかったのだが、読み進めるにつけ、物語の力強さがだんだんと心に食い込んできて、読み終えた後は充実した読後感がある作品で、不思議な物語であった。
たとえが難しいが、最初はものすごく堅いスルメイカを噛んで噛んでしているうちにもの凄く美味しく感じてくるというような感じに似た物語とでもいおうか。
本来は万人に向いた話ではないと思うのだが、相当な売れ行きのようである。
しかし、買った人が最後まで読んでいるのかは、私の周りの文学読みですら断念した人が複数いたのでわからないところである。
時間はかかるし、本来なら登場人物相関図でも作成しないと混乱すると思うが、大作を時間をかけて読んでみようという人にはお勧めかもしれない。
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